南米のトッププレーヤーはどうやって生まれたのか
FIFAランキングTOP(国際サッカー連盟により発表される各国のランキング)には、南米の国から常に多くの国がランクインしています。
そして、世界で活躍するメッシやネイマール、スアレスといったトッププレーヤーもまた、それらの国から生まれています。
彼らはどのようにして生まれたのでしょうか?ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンと、南米トップ3の国別に育成方法の違いをご紹介していきます。
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王国ブラジルの育成法

Photo:Pixabay.com[ASSY]
彼らの強さの秘密は、その育成方法に隠されています。ブラジルでは、選手が14歳からプロになるまで全力を注いで育てるのです。
しっかり選手を育てて、世界中のビッグクラブに輩出し、移籍金を得るというサッカービジネスの形が出来上がっています。
ネイマールをブラジルのクラブ「サントス」からスペインのビッグクラブ「バルセロナ」へ輩出した時のように、移籍金として一気に大きなお金がクラブに入れば、それまでに育成費として費やしてきた費用は何十倍もの額になってクラブに戻ってくることになるのです。
そのためクラブは、プロ育成のために食事、トレーニング、休養という環境づくりをしっかり行っています。
例えば、コリンチャンスでは育成世代から練習や試合中にGPSを使用し、走行距離や心拍数、選手の最高速を計測する最新テクノロジーを取り入れています。最新環境を与えると共に、コーディネーショントレーニングではタイヤを使用する原始的な方法を取り入れるなど、独自の育成メソッドがあることもポイントです。
学校とも手を取り合って協力関係を結び、午後に学校へ通わせたり、クラブの敷地内に学校が建てられているところもあるのです。
それだけ、プロ選手として育て上げるための環境が出来上がっており、このエリート教育がブラジルをサッカー王国にしている大きな理由ではないでしょうか。
神の子を生むアルゼンチン

Photo:Pixabay.com[KeithJJ]
全国に散らばる未来の原石達をスカウトして、プロクラブに早い段階で入団させる事で、プロになるまでの過程を大切に見守っていきます。
そのため能力のある選手は同じく能力の高い選手とプレーをし、能力のない選手は能力のない選手とプレーをすることになります。
その差は歳を重ねる度に開いていき、選手の成功は、ある程度早い段階で決まってきます。
上手い子と、そうでない子、その格差がハッキリしてるからこそ、上手い子は飛び抜けて上手い。
この育成は「才能を邪魔しない」という考え方が根底にあるのです。
アルゼンチンの考え方では「天才は作れない」という共通の認識をみんなが持っています。才能のある子供を見極めて、余計な手を加えない努力をしているかのようです。
この方法を「育成をする」と言うのか、それとも違う気がすると捉えるのか、アルゼンチンでも人それぞれ考え方が違っています。ただ一貫しているのは「コピーはダメだ」と、みな口をそろえて言うこと。
それがアルゼンチンなのです。
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古豪ウルグアイの再建
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現在は、FIFAランクを7位まで伸ばしてきている古豪ウルグアイですが、ここまでの道のりは長かったのです。
かつての王者は優勝を経験して以降、W杯本戦に出場すらできない事もしばしばありました。そこでウルグアイは、U15からU20の代表までの育成改革を行うことにしたのです。
首都に日本の「Jビレッジ」のようなナショナルトレーニングセンターを作り、U-15からU-20の各カテゴリーの選手たちが、毎週集まって練習を行っています。ウルグアイはリーグの16チームのうち13クラブが首都のモンテビデオにあるため、そこの下部組織に所属する選手たちも集まって練習しやすい環境となっています。
また、優秀な選手であっても若い時期のA代表への招集はせず、じっくりと育成に集中します。そうすることで各カテゴリーで世界の大会で結果を残すことができるようになり、世界中から試合に招待されるようになり、お金がなくとも世界中で強化試合が出来るようになりました。
これらはウルグアイが小国であることのウィークポイントを、逆にストロングポイントとして活かしているのが特徴の1つです。
各世代別代表は学校へ通っていることも選考基準の一つになっています。これまでは、学校へ行かなくてもサッカーが上手ければ、世代別代表に選ばれ、エリートへの道が約束されてきましたが、仮にサッカーがダメになってしまった場合、その選手には何も残らなくなってしまいます。その為、この新たな選考基準が採用されることになったのです。
このように国家レベルでの育成や、長期的な目線で育成を行えるようになった事が、ウルグアイが近年FIFAランキング上位まで上り詰めるようになった事の、要因の一つかもしれません。
最後に
それぞれの国によって育成方法には個性や違いがあります。
しかし、しっかりとした軸があり、国家レベルで育成をしているように思えます。それだけ、サッカーが国家的なスポーツとして根付いているといえるのではないでしょうか。
これから先、日本が本気でワールドカップ優勝を目指すなら、代表選手の土台ともいえる育成から見直していく必要があるのかもしれません。
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