守備のシーンで「絞る」という言葉を使いますが、皆さんはどのように理解していますか?
「真ん中に選手が集まる」とか「隙間を作らない」など色々あると思いますが、絞るというのは選手が行う一種のアクションであって目的は「相手のパスラインを閉める」ことにあります。つまり絞るとは、「相手のパスラインを閉めるために行うアクション」という定義になります。
言葉の整理をしたところで、このパスラインを閉める戦術を得意としている「チョロ」ことアトレティコ・マドリードで指揮を執るディエゴ・シメオネ監督のパスライン封じトレーニングを見ていきましょう。
目指すは、コンパクトな守備から爆発的な攻撃への転換です!
1 オーガナイズ

テーマ
-パスラインの閉鎖キーファクター
-認知
-コミュニケーション
-コンスタントな守備トレーニング難易度
-難インテンシティー
-高選手
-12人アクティブタイム
4min道具
-ボール×1
-マーカー
-小ゴール×4
2 ルール

- 4つのゴール前に各グループから2選手ずつ立ちます
- 8マスの前後列に同じグループの選手が1人ずつ立ちます
- マスに入っている8選手は他のマスに移動することはできません
- ゴール前に選手は横に移動することができます
- ボールを持っているグループはパスを回しながら反対にいる味方にボールを当てます
- 当てられた選手は横にいるもうひとりの選手にパスをします
- 最後にパスを受けた選手は後ろにあるゴールにシュートします
- ボールカットまたはゴールで反対のグループからスタートします
3 ポイント
ボールホルダーに一番近い選手を頂点に斜めに絞っていく
DFのやることは至ってシンプル。ボールホルダーに一番近い人がマスギリギリまでアプローチして、その選手を頂点として他の選手が斜めに絞っていきます。なぜ斜めかというと、ひとつはチャレンジ&カバーの原則で、アプローチに行った選手が抜かれた時にカバーリングができるように。
もうひとつは斜めにすることで守備に奥行きができるからです。ただし、すべての選手が斜めになってしまうと、反対に目の前の大きなプレースペースを相手にプレゼントしてしまうことになるので、守備ラインの形はチームのコンセプトに沿ってコーチがオーガナイズする必要があります。上の図では、アプローチに行った一番右の選手に対して横2人の選手が斜めのポジションを取っています。
では真ん中にボールがある場合はというと下の図のようになります。

両隣の選手が斜めにポジションを取り、カバーリングと守備の深さの形成を担っています。
ここまで説明したところで、絞るというアクションはより具体的に言うと、「ボールホルダーに対して一番近い選手がアプローチして、その選手の両隣の選手が斜めにポジションを取る」ということになります。もちろん、人よりボールの動きのほうが速いですので、そのズレを利用し相手はパスを通そうとしてきます。ですがこのアクションによって、相手の斜めや縦パスの成功率を最大限下げることができるということを、選手に体験させましょう!
参考動画=YouTube:Ejercicio Cholo Simeone | Tapar líneas de pase
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