現代サッカーで試合の鍵を握るとされているのが、トランジション(切り替え)です。年齢が上がり、試合の展開が速くなるにつれ、トランジションの重要性は増していきます。
そこで、攻守が切り替わる4対2のトレーニングをご紹介します。素早いトランジションを身につけるための入門ともいえるトレーニングです。
素早いトランジションが求められる

Photo:Pixabay.com[LukaszWyrwik]
攻撃から守備への切り替え=ネガティブトランジション(ネガトラ)
守備から攻撃への切り替え=ポジティブトランジション(ポジトラ)
サッカーでは「攻撃・守備・ネガトラ・ポジトラ」の4つの局面をサイクルのように順番に回っていきます。プレー中は常に4つの局面のどこかの状態に当てはまるということです。
トランジションの時間は試合全体で見ると短いですが、とても重要です。例えば、ネガトラが遅れるとチームは一気にピンチになってしまい、ポジトラが遅れると攻撃のチャンスが潰れてしまいます。そのため、選手としてレベルアップするためには素早いトランジションを身につけなければなりません。
トレーニングの方法とルール
トレーニングの方法とルールは以下の通りです。
- 10×10のグリッドを2つ用意
- 選手は4人×2チーム
- 1セット3分が目安
- タッチ数はツータッチ以下
- 片方のグリッドで4対2でボールを回し、残りの二人は反対のグリッドで待機
- 守備側がボールを奪うか、攻撃側がボールを外に出してしまうと反対のグリッドに移り攻守交代
1セットの時間やタッチ制限は目安なので、レベルに合わせて設定しましょう。トレーニングの流れは動画を参考にしてください。
意識することで身につくようになる
このトレーニングで大切なのは素早いトランジションです。攻撃側はミスが起きた時、ボールが奪われそうになった時に、すぐにプレスをかけます(ネガトラ)。逆に、守備側はマイボールになる時に、待機していた2人はボールを受けられるポジションを取り、ボールを奪った選手はフリーの選手にボールを預けます(ポジトラ)。
トランジションで重要なのは意識をすることです。何も考えずにプレーするのではなく、トランジションを早くする意識を持つことで、だんだんと素早いトランジションが身についていきます。
またネガトラでは、まずボールに一番近い選手がプレスに行きます。そのため、自分がプレスに行くのか、自分は残り他の近い選手に行かせるのかという状況判断とコーチングも必要です。
コーチはプレーを途切れさせない
このトレーニングではボールが外に出てしまった時に、コーチが早く次のボールを配給することも重要になります。
ボールの配給が遅れてしまうと、プレーが途切れた時に思考も体も止まってしまい、トランジションを鍛える効果が薄れてしまいます。1セット3分間はできるだけプレーを途切れさせないように心掛けましょう。
トランジション1つ1つを見れば一瞬の差ですが、試合全体で見ると大きな差になります。トランジションを身につけるトレーニングを、ぜひ参考にしてみてください。
動画:YouTube『Schnelles Umschalten trainieren im 4 gegen 2: Fußball Passspiel & Taktik』
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