攻撃時のオフ・ザ・ボールで大切なことは、相手とスペースとボールの把握です。
と言ってもジュニアに「いいか、オフ・ザ・ボールで大切なことはな……」、と細々いってもなかなか伝わらないこともあります。
オーガナイズ
- テーマ:オフ・ザ・ボールでのボールの受け取り方
- 選手:2
- 道具:ボール、マーカー、TOM(Training-Opponent-Mannequin)またはコーン
- エリア:パス距離10m、グリッド5m*5m
- アクティブ時間:2分
- レスト時間:2分

ルール
- パサーはグリッドから10m離れたところにつく
- 受け手はマネキンの後ろにつく
- 受け手はグリッドの四隅のどれかに移動しボールを受ける
- パスのタイミングは、受け手が四隅に到着する時に届くように合わせる
- 2分行ったら役割を交代して行う
バリエーションは以下の通り
- 後ろに動いてボールをコントロール、パス
- 前にに動いてボールをコントロール、パス
- 後ろに動いてボールを内側にコントロールし素早く戻す。リターンパスを出したらマネキンの裏のスペースで受け直す
- 前に動いてボールをリターンパス。その後すばやく対角でボールを受ける直す
現象
トレーニングとしては、とてもシンプルな内容です。
ここで大切なのは、中央に置かれたマネキンから作られる守備のラインを意識することです。詳しくはサカレコ『カバーリングは連続する。カバーをカバーする概念「ペルムータ」を知っているか?』に書かれていまが、簡単に言うと立っている守備の選手から左右にラインが引かれていると想像して下さい。
そのラインより高ければ「上がって」、低ければ「落ちる」という動作となります。
上がるというアクションによって以下のようなシチュエーションが想定されます。
- ビルドアップしているエリアからボールを突破させる
- 最終ラインの背後のスペースにボールを放つ
- DFを押し下げる
落ちるというアクションによって以下のようなシチュエーションが想定されます。
- ボールホルダーを緊急でサポートする
- ビルドアップに必要な人数を増やす
- DFを引きつけて裏のスペースを生み出す
といったものです。
もらい方にバリエーションがある理由は、こういったシチュエーションを想定しているからです。
ですので、この他のバリエーションを選手に考えてプレーしてもらうのも一つのアイデアになります。
現象としては上記のシチュエーションが頭に入っていないと、選手の動きが不審に思えてくるはずです。
この時大切なことは、いきなり動作を修正からはじめないこと。
「今もっと早く動き出さないと!」
「ちょっとタメ作ってからもらいにいって!!」
こんなフレーズを、見聞きした人もいるかと思います。
ですがここは一つこらえて、まずは選手が何を考えてアクションをしているか聞くことが重要です。
コーチ ストップ。Aは今、どんなことをイメージしながらボールを受けに行った?
A DFと距離がある状態で、パサーからボールを受けに行きたかったです。
コーチ いいイメージだね。そうしたらDFの背後から角まではどういった入り方すればいいかな?
A できるだけ速いスピードで入った方がいいと思います。
……
といったやり取りが必要になってきます。確かにこのやり取りをせずに、単に「スピード上げてもらいにいって」と伝えても、外からはやっていることは同じに見えます。
しかし、選手の頭の中は違います。どのようなシチュエーションで行っているのかを明確に行っているので、やっているプレーに意図があります。
トレーニングは試合のエッセンスが入っていなければいけませんが、それはハード面だけでなく選手も然り。
シンプルなオーガナイズのものほど、選手のイメージを明確にしてあげる指導が必要となってきます。
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