ポゼッションを基本のコンセプトとしているビジャレアル。ボールを保持し続けるために、普段どのようなトレーニングをしているのでしょうか。
『YouTube』では、ビジャレアルのポゼッショントレーニングを紹介します。ボールをつなぐために大切な要素が詰まっているトレーニングなので、ぜひご覧ください。
基本的なオーガナイズとトレーニング方法
オーガナイズ
- 人数:5対5+2
- コートの広さ:18m✕32m
- タッチ数:ツータッチ以下(基本はワンタッチ)
- 時間:アクティブ[8分]レスト[1分半]
- セット:2回
- ※強度を保ちたい場合は、時間を短くし、回数を増やす
トレーニング方法
- 2つのゾーン(Z1・Z2)のそれぞれ両端にフリーマンを置く
- Z1でボールを保持しながら、Z2のフリーマンを目指す
- Z2のフリーマンへボールが渡ったら、全員でZ2へ移動しボールを保持
- 再びZ1を目指す(以上を繰り返す)
※ボールが奪われたら攻守が変わる
※1つのゾーンでは必ず5回以上パスを回さなければならない
タッチ数の少ないトレーニングで意識したいこと
このトレーニングで重要なポイントを確認していきましょう。
サポートの位置と距離感
ボールを保持しているチームは、中央に1人、その周りに4人がバランス良くサポート。周りの選手が中央に入ってくると、中央にいた選手はサポートの位置に動くなど、スペースが狭くても流動的にポジションをとっています。
また逆サイドのフリーマンにボールが渡るときは、素早くサポートに動いています。このようにワンタッチやツータッチでパスを回すため、サポートの選手のポジショニングが重要になるのです。
パスの正確さとスピード
少ないタッチでボールを回すためには、サポートのポジションだけでなく、パスの正確性がもちろん大事。ボールがずれてしまうとワンタッチでパスをつなぐことは難しくなります。
またパスのスピードも考えなければなりません。近い場合はゆるいパス、遠い場合は強いパス、味方が寄って来ている場合はただ置くようなパスなどの判断が必要です。
特にタッチ数の制限があっても、ゆるいパスであればボールを触らずにターンすることもできます。味方が次のプレーをしやすいようにパスを出せるといいでしょう。
ビジャレアルは実際の試合でも、トレーニング時と同じような位置と距離感、パススピードでボールを保持しています。このトレーニングが活きていることがわかりますね。
守備側はコミュニケーションでボールを奪う
1人でプレスをかけてもかわされてしまうため、5人で声を掛け合いながらどこでボールを奪うのか意思疎通をします。
また狭いスペースの中、少ないタッチ数でボールを回すため、ミスは必ず起きます。そのためトランジション(攻守の切り替え)を素早く行うことが求められます。特にボールを失った後のネガティブトランジション(攻から守への切り替え)を強く意識しましょう。
レベルに合わせた配慮も必要
ポゼッションサッカーではGKにも足下の技術が求められます。そのためビジャレアルのポゼッショントレーニングでは、フリーマンはGK。ただこのトレーニングを取り入れる場合、フリーマンは必ずしもGKである必要はありません。
またボールがなかなか回らない場合は、
- フィールドにもフリーマンを1人置く
- フリーマンへのプレスを禁止する
- フリーマンのタッチ制限をなくす
といった配慮をしてもいいでしょう。
ボールを保持する上で必要な動きや考えたが身に付くポゼッションのトレーニング。ぜひ参考にしてみてください。
動画:YouTube『Villarreal Positional Game – Training to game transfer』
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