宮崎県宮崎市を本拠地とする社会人サッカークラブ「J.FC宮崎(ジェイ・エフ・シー・みやざき)」。九州サッカーリーグに所属し、2019年はJFL昇格に向け活動している。しかし、今年からクラブ代表取締役社長に就任した宮城’亮’氏は、地域リーグから上部リーグを目指す前に行うべきことがあると語る。
クラブと地域が互いに活性し合う仕組みを作る
しかし実際「内」に入ってみると、うまく回っていない状態でした。原因はスタッフが悪いということではなく、スタッフ業務のキャパが飽和状態で運営の方に手が回っていなかったんです。クラブの中心スタッフは指導のプロでした。
ただ、一般的な会社でいう経営に関して、特にクラブの組織を大きくするために外回りに行ったり、アイデアを出したりというアクションの方法を知らない状態でした。そんな中でのスタートは、本当に地道なことからやりました。経費の精算などから事細かに行い、経営としての「ちゃんと」しなければいけない部分を洗い出すと、結果としてかなりの業務量になりましたよ。
さらには外部の企業とのリレーションシップの構築や新規スポンサー獲得の営業が多くなりました。これによって選手をサポートしていただける企業も増えましたし、継続的にコミュニケーションも取っていますので、クラブ・選手・企業の関係がとても良好な状態を保てています。
また、来年に向けて取り組んでいることとして、宮崎県に都農町(つのちょう)という町があるのですが、クラブの拠点を都農町に移すとともに、選手にも移住してもらおうと思っています。サッカークラブというとスポンサーにサポートしてもらって運営ができる、というのが一般的ですが、逆の発想で我々が町の活性化のためにサポートするというものです。アマチュア選手たちにとっては働き先が確保されますし、都農町にとっては労働力の確保につながる。選手の働き先を単に斡旋するのではなく、町おこしとして双方の発展を目指す取り組みとなります。
主役はあくまでも地域。興行として試合の価値を高める必要性

FC岐阜の調子が良かったとき、多くのスポンサーや行政がこちらの方に歩み寄って来てくれました。そうすると町全体が盛り上がるんです。この現象が大切だと思いました。だからこそ、先程お話した都農町に選手を移住させるなどのアイデアが必要となります。主役はクラブではく、町なのです。
また、SNSから新しいつながりが生まれることもあります。今回、クラブが導入したサッカーアプリの「サッカーブレイン」も、Twitterのつながりからです。私がつながったフォロアーが発信していたアプリの情報を、クラブのアカデミーディレクター知っていて「これはすぐ導入しましょう!」という話になりました。まさにSNSの力によって横のつながりが形となった例です。
また、やはりクラブとしては試合会場に足を運んでいただいている方を、一サポーターとして認識すること。そして、お金を払ってもらい観戦してもらうためのクオリティーにすることを継続的に行っていく必要があります。観客にとって宮崎の試合が特別のものであって、お金を払う価値があると思っていただくことが大切です。すでに今年の6月と7月に「TSUNOミュージック&スポーツフェスティバル」というコラボフェスを開催して、多くの人に楽しんでいただきました。今後はまだ具体的な名前は出せませんが、クラブでアイドルグループを育成するなど、知名度とエンタメ性を高めていこうと企画しています。
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