東京ヴェルディ、かつてのJリーグ盟主が、どうしてこうなった…

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クラブは存続するけれど、前途多難か

2020年12月25日、東京ヴェルディのプレスリリースで経営陣の刷新が発表され、コロナの影響により2020年度の決算は約5億円、2021年度は5億円程度の赤字となることも公表されました。東京ヴェルディは、以前から深刻な資金難と債務超過(借金が資産よりも多い状態)に陥る可能性を指摘されており、最悪の場合はチームが解散してしまうことも噂されていました。

動画:YouTube『【独自】東京ヴェルディ社長らが辞任(2020年12月25日)』

ここに至って、ヴェルディの実質支配権を持つスポーツ用品販売大手のゼビオが、東京ヴェルディを子会社することが決定された、というのがプレスリリースの内容です。

Jリーグ黎明期を支え、初代Jリーグ年間王者となるなど、輝かしい歴史を持つクラブがどうしてこれほどの苦境に立たされているのか、クラブ経営の側面から考えてみようと思います。

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読売新聞と日本テレビの撤退が決定打

東京ヴェルディ(当時のチーム名はヴェルディ川崎)はJリーグが開幕した最初の3年間はタイトルを獲得するなど、Jリーグの盟主と呼ぶに相応しいチームでした。しかし、1998年に読売新聞社が経営から撤退すると、経費削減のために三浦知良選手などの高額年棒選手がチームを去らなければなりませんでした。

スター選手がチームを去る→勝てなくなる→経営悪化→経費削減…という悪いスパイラルから抜け出せなくなった東京ヴェルディは、本拠地を等々力競技場から味の素スタジアムに移転したり、チーム名を「FCニッポン」に変更するなど、完全に迷走することになります。

追い討ちをかけるように、2009年に日本テレビが東京ヴェルディの経営からの撤退することになりました。そして、深刻な資金難に陥っていた東京ヴェルディとスポンサー契約を結んだのが、2020年に東京ヴェルディを子会社化したゼビオです。なんとかクラブは存続したものの、それ以降も経営が上向くことはありませんでした。

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二度のJ2降格が大きな痛手

2005年に、東京ヴェルディは成績が低迷し、J2降格が決定します。その結果、Jリーグからの分配金が減り、経営難に拍車をかけました。

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図1:東京ヴェルディの収入内訳 編集部作成

図1を見ると、2005年降格決定後に、Jリーグ分配金(オレンジ)は半分に落ち込んでいることが分かります。また、2009年までは、その他収入(黒)が最大の収入源となっており、持続可能なクラブ経営ができていなかったとも言えます。

2007年にはJ1昇格を果たすものの、翌年にはJ2に再び降格します。2度のJ2降格が経営に大きな影響を与えていることが、次の図から分かります。

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図2:東京ヴェルディの営業収入/人件費 編集部作成

2008年のJ2降格により、営業収入(青色)が大きく落ち込み、チーム人件費(オレンジ)が収入を上回る事態になっています。その後は人件費を抑えて、健全経営の目安とされる売上高人件費率50%以下を保っています。一見持ち直したようにも見えますが、それでも決して楽観できる状況ではありません。

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図3:東京ヴェルディの利益状況 編集部作成

図3を見ると、東京ヴェルディは2005年以降ほとんど利益をあげられていないことが分かります。特にJ2降格の翌年(2006年と2009年)は多額の赤字を計上しており、J2降格の影響がいかに大きいのかが理解できると思います。

2009年はJ2降格の影響に加えて、日本テレビが経営から撤退していますから、稼ぐ力のない東京ヴェルディが資金難に陥るのは不思議なことではなかったのです。

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アカデミーの売却の噂も…

2020年末にゼビオが東京ヴェルディを子会社化する際の再建案には、スクール事業の売却も検討していたようです。

東京ヴェルディは育成に力を入れており、有望な若手選手が海外や日本代表で活躍しています。

東京ヴェルディ・アカデミー出身選手

森本貴幸(AEPコザニ)

中島翔哉(ポルト)

小林祐希(ヘーレンフェーン)

安西幸輝(ポルティモネンセ)

菅嶋弘希(ポルティモネンセ)

畠中槙之輔(横浜FM)

三竿健斗(鹿島)

和田拓也(横浜FM)

東京ヴェルディファンにとって残念なのは、有望な選手を育成しても、財政難のため他クラブに売却しなければいけないことでしょう。

しかし、一時の資金を確保するために、アカデミーを売却してしまって良いのでしょうか?東京ヴェルディのアカデミーは、2015年以降は毎年1億円以上の利益をあげていますので、不採算部門とも言えないと思います。また、東京ヴェルディは「ユース、ジュニアユース、スクール等の下部組織の充実、および下部組織から昇格する選手を主軸としたトップチームの発展」を、クラブの経営方針の柱の一つに据えています。

これらを考慮すると、アカデミーの売却は東京ヴェルディの根幹を無くしてしまうことにはならないでしょうか?

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東京ヴェルディの新たな船出

新体制への移行に一悶着ありましたが、東京ヴェルディのチームの改革は始まっています。

2021年になってから、大久保嘉人選手をはじめとする複数名がチームを去りました。新たに加入したのは、ユースから昇格した佐古真礼選手を除くと、大学生や即戦力になる選手に絞っている印象を受けます。ゼビオが経営に携わるとはいえ、しばらくは我慢の経営が続くことが予想されますが、若手選手を育成しながら、かつてのように強いヴェルディが戻ってくることを願って止みません。

動画:youtube:『スタジアムが僕たちを強くする』

ただ、東京ヴェルディの栄枯盛衰の歴史を省みると、収入がスポンサー契約に依存し過ぎていたことも事実であり、一朝一夕とはいかないでしょうが、収益源の多角化が求められています。アカデミーから優秀な若手選手を育成し、ファンがスタジアムに足を運びたくなる取り組み、そしてピッチ上の結果…どれも王道はありません。しっかりと腰を据えて取り組んでもらいたいと思います。

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