ジュニアは大人より脱水が起こりやすい
梅雨の時期が続いています。
気温も不安定なこの時期を終えると、夏本番です。
ここ数年の気象変化で、日本では猛暑が続いたり、ゲリラ豪雨といった現象も起きています。
さらに、コロナウイルスの影響でスポーツをしている子どもたちでさえ、体力の低下が不安視されています。
このような状態でスポーツを安全にしてもらうために、ジュニアの水分補給について基礎知識をおさらいしましょう。
ジュニアは大人より脱水しやすいです。
- 体温調節機能
- 水分の代謝機能
この二点が成人より劣っているからです。
私たちが生まれた時、体内に存在する水分の総量は体重の80%程度。成人の60%とくらべて多いのはこのためです。
また、ジュニアは身長が低いため、成人に比べて体表面積が少ないので、放熱しづらいとも考えられています。成長のために代謝が高いことから、基礎代謝が高く、そのため安静時でもエネルギー代謝が活発です。結果として体温が高くなるので、脱水が起こりやすくなります。
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脱水はしやすいけど、脱水予防も回避しやすい
成人の場合、脱水症状は体重の2〜4%の水分不足で、顕著な症状が確認できます。
一方、ジュニア(小児)では水分量が多いため、その症状は5%ほど不足してから。
つまり、気温や湿度が高くなるなど環境の変化に成人と比べて弱いといえます。
脱水しやすいジュニアですが、脱水予防に関しては成人より回避しやすいといえます。
例えば、体重60kgの成人が体重の2%の水分を摂ろうとする場合、実数にして1,200mlです。対して25kgのジュニアが同じ水分を摂るためには500ml。
ジュニアが2%の脱水を防ぐにはコップ2杯ちょっとの量で十分であることがわかります。
「夏場のスポーツではこまめな水分補給を」という言葉は、まさにジュニアにピッタリの標語だというのがわかります。
水分は汗以外でも失われる!
ここまでは汗による脱水をメインに取り上げました。
ただ水分は汗以外からも失われています。それが排泄です。下の表を見てみましょう。
成人における水分の排泄量 |
尿・大便 | 1,600ml |
不感蒸泄 | 900ml |
出典:環境省
尿や大便は説明しなくてもわかります。ここでは不感蒸泄(ふかんじょうせつ)に着目しましょう。
不感蒸泄とは、呼吸の際に水蒸気としての排泄や皮膚の汗としての排泄など、無意識で肺や皮膚から常に排泄される水分のことです。
表は70kgの成人の場合ですが、1日何もしていなくても1Lの水分を失っているのはなかなかの盲点です。
体温が上がる他に、呼吸数の増加によっても水分を失われ脱水につながることも覚えておきましょう。
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