【中野吉之伴コラム】ドイツのU8/U9世代はなぜ5対5をやるのか(実践編)

8、9歳の子どもたちが自分たちのキャパシティにあった試合環境として、ドイツでは5人制を採用していると前回のコラムで紹介した。では実際にドイツでは、5人制のサッカーに対してどのようにトレーニングをしているのだろうか。

まずこの年代で求められる戦術はサッカーの入り口となるものだ。サッカーとはどんなスポーツなのか、どうすれば勝てるのか、どうすればもっと有利に進めることができるのか。ただボールを蹴りあったり、奪い合ったりするだけではなく、ちょっとでもそうしたメカニズムについて興味を持ってもらい、頭を使って相手と駆け引きをすることの面白さに気づいてもらえるように導けるのが理想だ。

だからといって毎回のトレーニングで小難しい話をして、子どもたちが頭に「?」マークを浮かべたまま、あっちこっちに走らされたりするのは明らかに間違っている。戦術とはピンとこない難しい言葉を並べられた理論のことでも、やらなければならないことを強制されるものでもない。

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中野吉之伴(なかの・きちのすけ)/41歳。ドイツサッカー協会公認A級ライセンス保持(UEFA-Aレベル)。01年渡独後地域に密着した様々な町クラブでU8からU19チームで監督を歴任。SCフライブルクU15チームで研修 を積み、現在は元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督と、息子がプレーするSVホッホドルフでU9コーチを務めている。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。ナツメ社より出版の「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」は18年サッカー本大賞優秀賞に選出。WEBマガジン「中野吉之伴『子どもと育つ』」