8、9歳の子どもたちが自分たちのキャパシティにあった試合環境として、ドイツでは5人制を採用していると前回のコラムで紹介した。では実際にドイツでは、5人制のサッカーに対してどのようにトレーニングをしているのだろうか。
まずこの年代で求められる戦術はサッカーの入り口となるものだ。サッカーとはどんなスポーツなのか、どうすれば勝てるのか、どうすればもっと有利に進めることができるのか。ただボールを蹴りあったり、奪い合ったりするだけではなく、ちょっとでもそうしたメカニズムについて興味を持ってもらい、頭を使って相手と駆け引きをすることの面白さに気づいてもらえるように導けるのが理想だ。
だからといって毎回のトレーニングで小難しい話をして、子どもたちが頭に「?」マークを浮かべたまま、あっちこっちに走らされたりするのは明らかに間違っている。戦術とはピンとこない難しい言葉を並べられた理論のことでも、やらなければならないことを強制されるものでもない。
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