フットボール競技者が世界で一番多い国から学んだこと。指導者が思考すべき子どものための環境とは【マインド編】

前回の初回記事は「準備編」という形で、日本のトレーニング環境における課題を説明しました。

第二回は指導者の「マインド」についてご紹介いたします。トレーニングは多くの人が関わることで、より楽しく、有意義な内容を作ることができます。そのために、指導者は自身が行いたいことを決定する際に、他社の関わりや意見を取り入れる余裕が大切です。JFA(日本サッカー協会)の教本にも、「オープンマインド」が指導者に必要な資質であると書かれています。

指導者と選手の関係についてのオープンマインドは、メディアをとおして多くの事例が紹介されています。しかし、私はクラブに関わる人間すべてに、このオープンマインドの姿勢を持つことが重要だと思っています。

トレーニング前のミーティングは指導者の気持ちをひとつにする

クラブには、それぞれ指導方針やスローガンがあると思います。しかし現場を見てみると、各カテゴリーが毎回のトレーニングで、全く異なった内容を行っている状態を目の当たりにします。考えられる理由は、指導者間でコミュニケーションが取れていない、反りが合わないため、各々のやり方で指導している、または違うカテゴリーの指導者が「助っ人」として即興の指導を行うなど、さまざまです。

クラブには大切にしている理念に基づいたプレーモデルが存在します。全カテゴリーの指導者が理念に沿った実行をするためには、すべての人間が理念を認識する必要があります。そして、その理念に近づけていくために、カテゴリーごとの指導指針を立て、最終的にピッチレベルの具体的なトレーニングに落とし込んでいかなければなりません。さらには、トレーニングの指導に対するリフレクションを行う場が必要となります。

私がサポートすることになったクラブは、行き当たりばったりの指導を行っている状態に見えました。そこで私は応急処置として、クラブの方針を確認した上で、年代に合った原理原則を外さないトレーニング内容を作成。まずは指導者たちと同じ目線に立って、トレーニングを一緒に行っていくことからスタートしました。

狙いはまさに、オープンマインドです。皆さん大人ですので、各々の人間関係はあるでしょう。私は直接伝えてはいませんが、「指導者は誰のためにいるか」を浸透させるアクションを行いました。

私が現場に入る以前は、担当した指導者が前回と同じ内容のトレーニングを毎回行ったり、その場で思いついたトレーニングを実施するのが当たり前になっていたようです。私は、トレーニングの構成と事前準備の重要性を理解するように促し、並行してアプリを使った事前の参加人数の把握、トレーニングのオーガナイズ作成をサポートしました。

共に現場に立ち、時には実際に私がデモンストレーションを行い、トレーニングの雰囲気や流れを感じてもらう。知識だけでは得られない、現場で感じることのできる声のトーンや進行のテンポは、指導者たちにとって、とても刺激的なものだったらしく、学ぶ姿勢がより強く感じられました。

指導者は選手のために存在しています。選手がよりクリエイティブなフットボールをプレーできるようになるために、指導者は一丸となって選手を支えなければなりません。たしかに、指導者は大人ですから人間関係はいろいろあります。指導がやりづらいと感じることもあるでしょう。そのようなときは、すべてを一人で行おうとせず、周りとコミュニケーションをとることが、解決の糸口になるはずです。

私が行っている指導が特別なものではなく、「日本中のピッチで誰もが行っている当たり前のことにしていきたい」、という想いがあります。この活動は私の大切な役割として、これからも果たして行きたいと思います。

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末本亮太

末本亮太(すえもとりょうた)。1978年、東京都生まれ。神奈川県立横浜翠嵐高校、早稲田大学教育学部で学業と平行してサッカーに打ち込む。現在は横浜市港北区大豆戸町にあるNPO法人・大豆戸フットボールクラブの代表を務める。「ちょっと自慢できる、サッカーを通じて出会うはずのない感動、人、未来を創造し、非日常を提供すること」を使命に掲げ、精力的に活動。選手を連れて被災地訪問など、NPO団体としてサッカーだけにとどまらない活動も行っている。