誰でもできる日本のゴールキーパーを育てる大切なこと

私は国内で開催される少年団の大会へ視察に行きますが、ある試合の中でシュートを決められてしまったGKの選手に対して、責任をすべて押し付けるかのようなネガティブな言葉が、指導者や保護者の方々から飛び交う状況を目の当たりにすることがあり、とても胸が痛くなります。

こういった事例を見ていると、現段階の日本ではGKの指導者数、そして専門的なGKトレーニングを幼少期から行える環境が少ないため、GKの育つ環境が整わないのだと強く感じます。こういった環境では、自らすすんでゴールキーパーをやりたいと思ってくれる選手はなかなか増えないのは当たり前です。

しかし、海外では正反対です。幼稚園児の試合を見たときでした。そこには、小さい手に似付かない大人用と思われるGKグローブをはめて、堂々と立っている小さなGKの姿がありました。彼の精悍な顔つきはどこから生まれるのでしょうか。

観察していくと、答えはやはりピッチにありました。プロやアマチュアでGKを経験した指導者が子どもと一緒にキャッチボールを楽しむ姿があったのです。世代が上がれば、選手はより専門的に指導を受けることのできる環境がフットボールの先進国では準備されています。

日本の指導現場でも、GKがフィールドプレイヤーと同等の指導環境でトレーニングを行うためには、まだまだたくさんの課題があります。

一番は「プロフェッショナル」の絶対数が少ないことでしょう。その国の、「フットボールの歴史」「フットボール協会の規模」「チーム数」が長く・大きく・多いほどプロフェッショナルプレイヤーの数は多いといえます。Jリーグが発足して25年余りですが、欧州と比べるとその規模は未だ大きな差があります。こうして考えると、試合出られるGKは1人だけですから、単純に輩出されるプロフェッショナルの数も限られてくるわけです。 

もう一つ、これは私がプロフェッショナルとして生活したから感じることができたのですが、引退後のセカンドキャリアにおいて、GKコーチの活動のみで生活することはとても難しいことです。大きなスポンサーがついたクラブであれば、純粋なGKコーチがいるかもしれません。しかしそれは、ほんの一握りであるのが、日本フットボールの現実なのです。

私が展開しているGKクラスは、そういった環境を少しでも改善できないかという思いから誕生しました。GKを育てるには、GKを経験した指導者が一番必要です。今やらなくてはいけない事は、GK経験者を引退後もフットボール界に残していける環境を作っていく事だと思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

平川正城(ひらかわまさき)神奈川県出身。 ユース年代は「清商」の愛称で親しまれたサッカー名門校、清水商業高校(現清水桜ヶ丘高校)から、湘南ベルマーレへ。湘南-草津-Y.S.C.C.-SC相模原とJリーグクラブを渡り歩き地域リーグクラブを経て現役を引退。 スポーツを通して、日本の子どもたちと世界の架け橋になることを目的とした「MASAKI SPORTS ACADEMY(MSA)」を2013年に設立。現在は海外仕込みのメソッドを日本人向けに改良した独自の「MSAメソッド」を確立し、日本全国のMSAにて子供達へ伝えている。 JFAこころのプロジェクト「夢先生」も務める。