アルゼンチンの育成は、褒めて伸ばすところにある
アルゼンチンサッカーの育成は褒めて伸ばす指導法だ。
指導者が選手達に声を出すのは、決まって良い意識でプレーしようとした時、そして良いプレーがあった時だ。
褒められた選手は、これが大切な事なんだと自分の中で判断基準を持てるようになり、自信を持ってプレーするようになる。
これが選手達の”自主性”を促すきっかけになる。
自主性は何をする上でも非常に大切なことである。
・自主性を持って取り組むから、壁にぶつかっても乗り越えようと思える。
・自分がやろうと思ったことだからのめり込めるし、楽しめる。
・自主性をもってトライするから、その挑戦から本当の意味での経験値が生まれる。
・自主性を持って取り組むから、次はこうしようと新たな自主性が生まれる。
そうやって成長してきた選手は、自分の力で様々な壁を乗り越えてきているため、折れない自信を持っている。
このように自主性を持つことはある種、選手として、人間としての自立を手に入れることに繋がる。
アルゼンチンには、選手として自立してる選手が多い。
選手個々の主張があり、個性も様々だ。その人の人柄が良い意味でサッカーに表れている。
監督がいないからサッカーが出来ない選手はいないのだ。
出る釘打たれ矯正される日本の育成
反対に日本の育成はというと、「なんでこれが出来ないんだ?」「あぁしろ、こうしろ」「負けたら罰ゲーム」など、指導者のエゴが指導に垣間見える。
指導者自身が子供達を変えてあげようという想いが強すぎて、出来なかったことを悪とし、選手たちが自分の予想外の事をするようものならすぐに矯正し、強制的に指導者のレールに乗せられる。
そんな事が続くと選手たちは、監督やコーチの顔色を伺いながらプレーするようになり、本来自己表現の魅力も含んだサッカーが、誰かの意思でやらされてるサッカーになり、つまらなくなる。また、そのように育てられた選手は、自分で考えてプレーをすることが出来ず、常に上からの指示や正解がないと行動できなくなってしまう。そして、答えを周りに求め続けるようになる。
果たしてこれが、いちサッカー選手を、いち人間を育てていくための正しい育成方法なのだろうか?
TECH::EXPERT代表の真子社長が考える育成において大切な考え方
未経験からプロのエンジニアを育成するスクールとして話題の「TECH::EXPERT」代表真子社長も以前は、一般的に”厳しい”とされる教え方をしていたそうだ。
以下、真子社長による発言
「最初のTECH::EXPERTって本当に厳しかったんですよ。体育会系で、睡眠と食事以外の時間はやるでしょ!っていうノリでやっていたら受講生を泣かせたりしてしまってこれじゃダメなんだということに気付いて、今は肯定・承認。”ここがわからないんですけど”と聞かれたら、『ここがわからないところまで気付けているんですね!素晴らしいです!自分は昔そこまで気付きませんでした!では次回以降どうやってステップしていきましょうか?』といったコミュニケーションをして、頑張れば出来るんだ!という勇気を受講者に与える。それがTECH::EXPERTの一番の価値です。」
ゴリゴリの体育会系で厳しく指導していたら、生徒達がモチベーションを落とし、どんどん離れるようになっていったため、反対に今度は、褒める所をとにかく見つけていく方針に変えたのだ。結果、TECH::EXPERTの生徒の転職成功率は98.5%にまで到達するなど、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている。
TECH::EXPERTとアルゼンチンサッカーの育成は非常に重なる部分がある。
指導者が生徒(選手)にどんな言葉がけをするか。これは、どの分野においても非常に重要になってくる。
広い目で世界を見ることこそが、日本サッカーのレベルを上げることに繋がるはずだ。
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