12歳から筋トレを始める南米エリート集団
12歳~19歳の選手達が一緒にトレーニングをし、己を高め合う環境がそこにはある。
彼らは、トップチーム昇格を夢見て、日々己と向き合い鍛錬を欠かさない。
この年代におけるこの歳の差は、大きな差であるが行うメニューは同じ。
トレーニングメニューは以下の通り。
・10kgの重りを持ちアジリティ 30秒 × 2セット
・ゴムチューブを付けてダッシュ 30秒 ×2セット
・10kgの重りを持ち、横反復ジャンプ 30秒 x 2セット
・ステップ 30秒 x 2セット
・ハイクリーン(速度を上げて) 20kg 30秒 x 2セット
・腕立て 30回 x 2セット
・20kgのバーを背負いサイドスクワット 30秒 x 2セット
これらのメニューを3周行った後に、ボールを使ったパスandゴーのトレーニングメニューを1時間弱、そして最後に全てのカテゴリーを合わせてハーフコートのゲームを行う。ここまでで4時間半のトレーニングになる。
流石に毎日このトレーニングではないが、こういったフィジカルdayが毎週あるのがアルゼンチン流だ。
そして、中学生以上の選手達はウエイトトレーニングを練習後に各々行う。
その為、ほとんどの選手は17~18歳の頃には身体が出来上がっているのだ。
アルゼンチンの戦術的指導
フィジカル面だけでなく、サッカーの指導も一流なのがアルゼンチンだ。
アルゼンチンではトレーニング時、高い位置までボールを運ぶためのボールの動かし方を反復して練習する。
例えば、CBが外から絞ってきたサイドハーフにクサビのパスを入れる。
サイドハーフは、それを前を向いた状態で上がってきた同サイドのサイドバックに落とす。
サイドバックはそのまま縦の空いたスペースにドリブルしたり、サイドの裏に抜け出したFWにパスを入れたりする事で、出来るだけ高い位置でプレーできるようにする。
これはあくまで一例に過ぎないが、このように相手陣地のある位置まで持っていくパターンをいくつも身体に染み込ませる。
選手達が無意識で出来るくらいまで染み込ませていくと、ある時選手達はその基本を利用し、全く違うパターンで相手を崩すプレーを生み出すようになってくるのだ。
先ほどの例だと、CBからサイドハーフにクサビのパスを入れていたが、相手がそれを読んできたと感じた瞬間に、CBから一気にFWの裏のスペースにボールを放り込むのだ。
このような指導を普段から受けている為、彼らの攻撃の組み立てには巧さがあり、ポゼッションの質も高く、レパートリーも多い。さらに、前述したフィジカル的な指導も相まって、ユース年代の最終学年になる頃には、フィジカル面、技術面共にサッカー選手としての基盤が完成している。
大人になるまでにサッカー選手としての基盤をしっかり作らせ、一人前のサッカー選手に育て上げる。これが、アルゼンチンサッカーの強さの理由の1つだと言える。
逆にいうと、ここまでやって始めて育成と言えるだろう。
日本が成長するヒントは、アルゼンチンに眠っているかもしれない。
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