結論から言うと、アルゼンチンサッカーの強さの秘訣の1つは、ポジション毎にスペシャリストを育てる所にある。
小学生の頃から、適性を見極められ、その適性に合ったポジションに付く。
そして、ポジション毎に徹底した個人戦術を叩き込んでいく。
そこから、プロになるまでずっと同じポジションなのだ。
私の友人のアルゼンチン人は、これまで左のサイドバックとしてずっとプレーしてきて、今もプロで左サイドバックを任されている。
彼自身もまた左サイドバックでの競争を勝ち抜いてきた者の1人である。
そして、アルゼンチンでは、ポジションを番号で表す。
ポジション(番号)毎に役割が決まっており、アルゼンチンで主流の4-4-2なら、10番が攻撃的な中盤(トップ下)。絶対的な司令塔で、ゲームを作り、ゲームを決める選手。
9番がゴール前の仕事人、生粋の点取り屋。
7番は9番の周りでプレーするセカンドストライカー的な存在。
11番はサイドハーフで、攻撃面での一対一の強さを求められるドリブラー。
5番はボランチの底でボール奪取能力を求められる。とにかく球際の強さと奪ったボールを仲間に繋げられる能力が必要。
このようにポジション毎に役割がハッキリしてるのがアルゼンチン流。
だからこそ、そのポジションでの競争を勝ち抜いてきた選手は、そのポジションでは誰にも負けない選手になる。
マスチェラーノ、アグエロ、リケルメ、ディ・マリア、メッシ。どれも個性があり、スペシャリストに違いない。
この国は、経済的に豊かとは言えないが、サッカーにおいては、ある種エリート教育がなされている。
南米では、サッカー選手になるかマフィアになるかしかお金を生み出す手段が無いと話す選手もいる。
そんな過酷な環境下で、さらにポジション毎の熾烈な競争を勝ち抜いてプロになった選手は、本物のスペシャリストと言えるだろう。
個々の能力が高く、スペシャリストを生み出せる国アルゼンチン。
日本が成長するヒントは、アルゼンチンに眠っているかもしれない。
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