「今のキーパーチャージだろ!」
ゴールキーパー(GK)に対して過度の接触をした場合にファウルとなったキーパーチャージですが、1997年の競技規則変更に伴い、なくなっていたことを知っていますか?
未だに実況では、不意なのか知らないのかわかりませんが「今のはキーパーチャージですね〜」なんてコメントが時々流れます。バックパスを手で触れることが禁止され、キーパーチャージがなくなるなど、他のフィールドプレーヤーと同じ扱いになったGK。それでもキーパーチャージという言葉がなくならないのは、なぜでしょうか?
下記はスポーツコメンテーターの桑原学氏のツイート
キーパーチャージというルールは1997年のルール改正でなくなっていて、現在はGKもFPの1人と考えるので通常のコンタクトではファウルになりません。
20年以上も前の改正ですが、まだ誤解されている人は多い。
これは地上波で解説の方などが、今だにそれを知らずに喋っている影響が大きいと思います。— 桑原学 (@kuwaharamanabu) October 27, 2020
手でボールを扱うが故に「GK寄り」なジャッジになる傾向
キーパーチャージという言葉がなくならない理由に、GKが手でボールを扱える特殊なポジションが関係しています。フィールドプレーヤーが相手と接触する時、腕を自分の体にくっつけ相手に当たりに行きます。この腕のおかげで、胸や腹に直接ダメージを受けることなくすみます。
しかしGKはそうは行きません。ボールを手でキャッチする時、両腕はボールにふれるために使用しているため、胴体は無防備になります。そのシチュエーションが顕著に現れるのがGKと相手FWが、クロスボールに反応した時です。GKは腕を伸ばしながら、FWは腕で胴体を守りながら飛び込みます。この場合、審判からすると例えFWが先にボールを触っているように見えても、GK寄りのジャッジになるようです。以下の映像では、そのシーンについて討論がされています。
動画=YouTube:ペナルティエリア内でのGKとの接触【Jリーグジャッジリプレイ2019 #30-1】
映像内では「ドロップボールの判定でも間違えてない」という意見も出ています。健全な試合にするために、GK寄りのジャッジになってしまうのは、ある意味自然なことなのかもしれません。こうした現状を考慮すると、GKに対するファールが特別なものでキーパーチャージという言葉が今も使われているのは、その状況を簡単に表現できるからなのかもしれません。
GKという特別なポジション、そしてキーパーチャージが今も根強く残っていることを考えながら下記の映像を見ると、なぜこれほどこのGKが怒っているのか、気持ちがわかってきませんか?
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