2018年に引退をした元日本代表のストライカー平山相太さん。その実力は高校生の頃から並外れており、怪物と称され期待されていました。
国見高校を卒業後は筑波大学に進学し、その後オランダのヘラクレス、FC東京、ベガルタ仙台でプレー。プロ入り後もいくつもの名ゴールを生み、怪物伝説を作り上げてきました。
では、平山相太さんはなぜ「怪物」と呼ばれていたのでしょうか。現役時代のプレーを見ながら考えていきましょう。
恵まれた体格を活かしたプレー
まず、平山相太さんといえば、190cmの身長を活かしたゴール前での強さ。相手DFの頭を優に超える高い打点のヘディングシュートが印象に残っている方も多いでしょう。
相手DFが触れないボールも、平山相太さんならヘディングすることができます。身長の高さとボールの落下地点を正確に予測する能力で、難しいボールにも合わせられる、平山相太さんの得意の形です。
動画:YouTube『平山 相太が圧巻の5人抜きゴールを決める!【あの年の今日】』
身長の高さから、浮いてるボールに誰よりも早く触ることができ、また相手のDF2人に挟まれても強引に突破できる強さがあります。平山相太さんの大柄な体格を存分に活かしたゴールシーンです。ただ、最後は冷静にGKをかわしている点にも注目してください。
平山相太さんがゴール前で負けないのは、ただ身長が高いからだけではありません。ポイントに入り込む能力が高く、相手よりも良いポジションを取ることができるからです。
ゴール前で相手DF に囲まれても冷静にプレー
平山相太さんは、ゴール前で相手に囲まれた状態でも冷静にプレーし、確実にゴールを仕留めます。
クロスボールを胸トラップしたところを、相手DF2人からプレッシャーをかけられます。しかし、慌ててシュートを打たずに、冷静にかわし、しっかりとゴールを決めました。
動画:YouTube『怪物 平山相太 世界が驚愕した 日本人離れのスーパーボレー オランダリーグ ヘラクレス vs RBC 2005』
味方のクロスボールを相手DF2人に挟まれながら胸トラップ。そのまま焦ってシュートを打つことなく、落ち着いてボールを浮かし相手DFの逆を取ります。そして、寄せられながらも豪快にボレーシュートを決めました。
こうしたゴール前での冷静さは大きな舞台でも発揮され、多くの名ゴールを作り出しています。
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相手をかわしコースを狙うための足元の技術の高さ
高身長ながら、足元の技術がしっかりしていることも、平山相太さんの特徴の1つ。
胸トラップの後に、つま先でボールを浮かして相手をかわしながらターン。さらに、浮いているボールをアウトサイドでウェッジコントロールし、ブロックしに来た相手DFの逆を取ります。そして最後は、コースを狙った正確なシュート。平山相太さんのテクニックが詰まったゴールです。
動画:YouTube『平山 相太(FC東京)が狙いすましてゴール右隅へ蹴り込む!【ゴール:明治安田J1 1st 第16節 FC東京vs新潟】』
ボールを蹴りやすい位置に止める正確なトラップ。そして、利き足とは逆の左足での狙いすましたシュート。一見簡単そうに見えるかもしれませんが、平山相太さんの足元の技術の高さが出ているプレーです。
平山相太さんの体格の良さを真似することはできませんが、ゴール前での冷静さやシュートの技術は参考にできる部分があると思います。
ストライカーとしての武器が怪物伝説を作った
高校サッカー選手権でのいくつものゴール記録に始まり、オランダでのデビュー戦2ゴール、日本代表初招集でハットトリック達成などの伝説の数々が、平山相太さんが「怪物」と呼ばれた理由であることは間違いありません。
ただ、そこには平山相太さんの大舞台での活躍を裏づける体格の良さ、ゴール前での冷静さ、足元の技術の高さといったストライカーとしての武器がありました。
平山相太さんは度重なるケガのため、現役を引退し指導者の道へ。現在は仙台大学で監督になるために勉強をしながら、同大学のサッカー部でコーチとして選手の指導にあたっています。
指導者として平山相太さんの持っている技術や経験を選手たちに伝え、新たに怪物と呼ばれるような選手を生み出してほしいですね。
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