「長時間=うまくなる」に根拠なし。スポーツ科学にもとづいたトレーニングオーガナイズを意識しよう

甲子園の季節がやってきた。全国のお茶の間に感動を呼ぶ球児の姿は、日本の風物詩ともいえる。今年はその大会を目指す県大会で、物議を醸す事件が起きた。大船渡のエース投手が岩手県大会決勝で、疲労軽減を理由に出場せず、チームは10点差で敗れた。

この結果、佐々木朗希(ささき・ろうき)投手の最後の夏が終わった。試合が終わってから大船渡高には、多くの苦情電話が殺到したという。さらにメディアでも「ご意見番」と言われる人から「ケガを怖がったんじゃ、スポーツをやめた方がいい。みんな宿命なんですから」と、一喝。

この件に関して、賛否両論になるのは自然な流れだ。発言者の立場によって意見が別れるので、一概に言い切れない。しかし、プレーヤーズファーストの立場なら、大船渡高の監督が下した決断に、誰も異議を唱える資格はない。

サッカーにおいても、長時間練習の文化は根強く残っている。特に夏場は、過酷な環境下で疲労困憊になるまで身体をいじめ抜くことで「一皮剥けた」と思い込みやすい。

サッカーでのトレーニング時間は2時間

結論からいうと、サッカーであれば世界のトップチームでもトレーニング時間は、せいぜい2時間だ(ここで言うトレーニングとは指導者のもとチームで行うものを指す)。

サッカーの試合は大人であれば90分で、その時間内に100%のパフォーマンスをすることが大切だ。トレーニングもそれに合わせ、時間内でどれだけ質を高められるかが課題となる。

日本では「居残り練習」「怒涛の3部練」「6時間の過酷なトレーニング」といった見出しが、メディアを飾るが、これは指導者・選手目線からすると、ありえないことだ。

なぜなら、裏を返せば「私は設定された時間内で質の高いトレーニングを行えませんでした」と言っているようなもの。実際の試合でアディショナルタイムは、せいぜい数分。にもかかわらず、トレーニングでは勝手に数時間の「アディショナル」が付くわけだから、合点がいかない。

トレーニングを質と量に分けたとき、量を増やしすぎると疲労が溜まり、質を下げる。つまり、効果的なトレーニングを行うには、一定量のなかで、いかにトレーニングの質を上げるかにかかっている。

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