世界と戦うための「腕テク」を磨くために指導環境を変えていこう

世界のプロフェッショナルは腕の使い方が上手い

攻守で優勢を取るために欠かせない腕テク

サッカー選手が体の中で意識をする部位で、一番に挙がるのが脚ではないでしょうか。フィジカルの面で考えると、体幹が思いつくかもしれません。しかし、世界のプロフェッショナルのプレーを見ていると、脚や体幹だけでなく、腕の使い方がとても上手いことに気が付きます。上手く腕を使う事ができれば、自分の体を守ったり、相手よりも優勢を取ることができます。

死角にいる相手も触って確認

プレー中、必ず死角が生まれます。DFが神経を使うのは、相手チームの選手が自分の死角を狙い、フリーになろうとすることです。CKやボックス近くでのフリーキック時に、相手の選手がフリーになってしまうのは、DFにとって致命的な危機を招きかねません。

しかし、そんな場面で死角に入ろうとする相手の体に腕を伸ばすことで、DFはキッカーの動きを目で確認しながら、マークしている相手との距離や動きを把握することができます。プロリーグの試合でセットプレーになった際、DFがマークしている相手に対し、どのように腕を伸ばしているのかじっくりと観察してみましょう。DFは腕を使う事で、常に相手の様子を把握しようとしています。

腕を相手の前に入れることで自分のスペースが確保しやすくなる

ドリブルで相手と競り合っている時や、ルーズボールにを取りに行く際も、腕を使うことでプレーが生きてきます。ボールと相手の間に自分の体を入れることでボールを奪いやすくなります。相手のプレッシャーを体全体で防ぐことができますし、余分な力がかかった場合は相手の反則になるからです。

体を入れようと思った際、まずするべきことは、自分の腕を相手の胸の前に入れることです。腕を入れたら、次は自分の体を相手の進む方向にスライドさせていきます。リオネル・メッシが170㎝と背が高くないにも関わらず、背の高い選手との競り合いになっても勝てるのは、速さや敏捷性が優れているだけでなく、【腕の使い方】が上手いからです。しかし、ここで気をつけなくてはいけないことは、相手に対して腕を使うとき、ユニフォームを手でひっぱってしまったり、相手の胸に肘打ちをしてしまうという事です。

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日本の「腕反則」指導が腕テクが上手くなる機会をつぶしてしまう

「腕使わないで〜。」

ある試合で選手がルーズボールの競り合いで、相手の胸の前に腕を入れて、プレースペースを確保しようとしたときでした。笛を鳴らして反則をした選手に駆け寄った審判はそう告げました。

「プッシング」という、反則のルールでジャッジされることが多いと思います。手や足、体を使って相手を押すとファールとなるこの行為は、どのカテゴリーの試合でもよくみかけるものです。しかし、どのくらい押すと反則になるかは審判により判断が違っています。

審判よって異なる判断で懸念されることが2つあります。

言葉のかけ方

1つ目は「腕を使わないで」という言葉かけです。これは変えていくべきなのではないでしょうか? 「腕で相手を過剰に押すのはファールだからやめなさい」こう選手に伝えたい審判の言いたいことは理解できます。しかし、実際に選手に伝わる意味は「腕を使うな」です。さらに、年齢が低ければ低いほど、子どもはその言葉を真に受けて、「サッカーで腕を使うことは良くないこと」と受け止めて理解します。審判はそれを避けるために、シンプルに「プッシング」という名称で伝えるべきです。ファールをジャッジするのは審判の仕事ですが、断片的な解釈を伝えると、子どもたちの成長を妨げてしまうという面も持ち合わせている危険性を認識しなければなりません。

選手の力を引き出す審判力

もう1つは腕を使ったプレーをどの程度でファールとするかの判断です。数値化して目に見える形として把握することは困難なので、審判の判断基準に委ねるしかないのが現状です。審判としてはフェアでクリーンな試合をコントロールするのが仕事の半面、「選手が持つテクニックを存分に発揮させる」ことも重要な役割とし担っているのです。世界のトップリーグの試合があれほど白熱するのは、審判がインテンシティ(=強さや激しさを意味する)なプレーとファールをギリギリのところで判断しているからこそ盛り上がるのです。

特にジュニア世代の試合では、フェアプレー精神の浸透を守ろうとするせいか、接触プレーに過敏になりすぎているケースが見受けられます。選手の技術向上は、実際の試合で100%のインテンシティのパフォーマンスにより望むことができます。また、新しい技術を体感する大切な機会でもあります。審判は試合を運営するだけでなく、選手の技術向上にも深く関わっていることを意識する必要があるのです。

世界と戦うためには、世界基準の「腕テク」も必要になってきます。それを育てるためにも、指導環境を改めて見直し、変えていくことも大切になってくるといえそうです。

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