世界に負けないための「腕テク」と試合環境を考えよう

腕テクを上手くするチャンスを潰してしまう日本の「腕反則」

「腕使わないで〜」。ある試合で選手がルーズボールの競り合いで、相手の胸の前に腕を入れて、プレースペースを確保しようとしたときでした。笛を鳴らして反則をした選手に駆け寄った審判はそう告げました。

腕の反則ではプッシングのルールが適用されることが多いでしょう。手や足、体を使って相手を押すと反則となるこの行為は、どのカテゴリーの試合でも多く見られます。ただ、どのくらい押すとファールになるかは審判のさじ加減です。

審判のジャッチで懸念することは2つです。1つは「腕を使わないで」という言葉かけ。これはやめるべきではないでしょうか? 審判が言いたいことは理解できます。「腕で相手を過剰に押すのはファールだからやめなさい」、これを選手に伝えたいのでしょう。しかし、実際に放っている言葉は「腕を使うな」です。選手側の立場からいうと、腕を使ってプレーすることは反則でなく、また腕を使わなければ競り合いに勝つことはできないのです。さらに、子どもはその言葉を真に受けて、「サッカーで腕を使うことは良くないこと」と勘違いしてしまいます。ならばシンプルにプッシングという名称で伝えるべきです。ファールをジャッジするのは審判の仕事ですが、断片的な解釈を伝えると、子どもたちの成長を妨げてしまうことを認識しなければなりません。

もう1つは腕を使ったプレーをどの程度でファールとするかです。数値として把握することは不可能ですので、どうしても審判の基準に委ねる他ないのが現状です。審判としては試合をフェアでクリーンなものにコントロールするのが仕事の一方、選手が持つテクニックを存分に発揮させるのも重要な役割です。世界のトップリーグの試合があれほど白熱するのは、審判がインテンシティなプレーとファールをギリギリのところで判断できるからこそ成立しているのです。

日本の特にジュニア世代の試合では、フェアプレー精神の浸透を守ろうとするせいか、接触プレーに過敏になりすぎているケースが見られます。選手の技術向上は、実際の試合で100%のインテンシティのパフォーマンスによって望むことができます。また、新しい技術を体感する大切な機会でもあります。審判は試合を運営するだけでなく、選手の技術向上にも深く関わっていることを意識する必要があるのです。

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