深刻化するコーチ不足
近年、多くのチームで「コーチ不足」がとても深刻化しています。
本業として、運営費と指導費をしっかりもらっているチーム(スクール)は別として、ほぼボランティアでチームを運営しているチーム、いわゆる「街のサッカー少年団」では、コーチ不足によりチーム存続の死活問題に発展しているケースも見られます。
チームの代表者としても、「次年度の体制はどうしよう」というのが切なる本音でしょう。しかしチームの懐事情や、そもそも外部でコーチをしたい人が少なく難しい…。
そんな状態から一歩踏み出す方法として、一度本記事を参考にチーム内に目を向けてはいかがでしょうか?
丸投げのおねがいはNG

指導者として「なにを」「どうやって」してほしいかを明示することが大切
チームに目を向けるとなると、対象はやはり保護者になります。ただ、保護者にお願いするハードルが高いことは、たやすく想像がつくことです。
しかし、ちょっとまってください。
今まで諦めていた保護者コーチの確保ですが、伝え方次第で今までは10人頼んで0人だったのが、3人やってくれるかもしれません。
ポイントは何をすればいいか明確にして、ステップアップ方式でレベルアップしてもらうことです。
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運営と指導を別ける
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グラウンドを借りている学校に許可をもらいに行ったり、保護者への連絡、試合への引率など、運営といってもやることはさまざま。
それをやりながら、子どもたちに指導をすることは、はじめての人からするとかなり重労働です。
まずは、指導に専念できる環境を用意してあげましょう。
「細かなことはやらなくていいので、◯年生の時間だけみてほしい」と言ってあげれば、お願いされた保護者の肩の荷はかなり楽になるはずです。
指導はサブコーチからはじめて、指導の流れを体感してもらう

指導をお願いするとき、意外に多いのが「子どもたちが楽しくサッカーできれば大丈夫だから、自由にやってください」というリクエスト。
実は、指導経験のある人でも、いきなり未経験の現場に入るのはかなり難しいことです。
チームによって、指導のカラーも子どもたちのレベルもまちまちです。また、すでに教えている指導者との関係性も引き継ぎの際に重要になってきます。
やはりここは、「まず一緒にやってみましょう。やっていることや子どもたちの様子を見ているだけで大丈夫ですよ」と、現場の空気になれてもらうスタンスが大切です。
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指導未経験の人には、各トレーニングの目的から把握してもらう
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しかし逆をいえば、何をしていけばよいかを示してあげることで、「わからないからやりたくない」から「これだったらできるかも」に心境が変化する可能性があります。
当記事ではあえて、理解がしやすいよう①トレーニングの目的理解②オーガナイズの作成③実際に指導、指導の段階を大きく3つに別けました。
指導未経験の人ははじめ、トレーニングの目的をメインコーチと共有することからスタートします。
陥りがちな順序として、オーガナイズから教えられて、「形としてトレーニングはしているが、何をしているのか指導者本人が理解していない」というもの。
そうなると本末転倒なので、まずは「今、子どもたちは何を目的としてトレーニングをしているか」を把握することからはじめましょう。
「今はケガを予防するためにウォーミングアップしているんだな」「パス交換をしているけど、ここではコントロールを目的としているから、コーチの声掛けが違うのか」。そういった発見ができるようになれば、指導者としてすでに一歩を踏み出しています。
オーガナイズは種類より一つの形でたくさんのパターンを
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子どもたちに効率よくトレーニングしてもらうためのローテションを考えることも、はじめは難しく感じるでしょう。
指導をはじめた頃は、毎回のトレーニングで異なるオーガナイズを無理やり設ける必要は有りません。オーガナイズを作るのが目的となってしまい、何を指導しているかがブレてしまうからです。
対人パスをするのに対極にマーカーを置くシンプルなオーガナイズでも、「時間を設けて1分以内にチームで何本パスが成功するか」「マーカーのどちらか外にコントロールをする」など、トレーニングのパターンを増やすことで、さまざま目的に応じた内容にアレンジすることができます。
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トレーニング後は数分でもいいのでリフレクションの時間を作る
実際に指導を行ったあとは、指導についてリフレクション(反省会)しましょう。ここで「これは駄目、あれは駄目」とネガティブなコメントは必要ありません。
指導未経験の人には、「あなたはこうすれば、もっといい指導ができる」ことをシンプルな言葉で伝えるだけで十分です。
「四角いオーガナイズでトレーニングをやるときは、その辺に立つと子どもたちのプレー全体が見えますよ」「次のトレーニングに移るとき、子どもに水分補給を指せる前にマーカーを集めてきてもらえば、次の準備がスムーズにできますよ」など、教えてもらった人が、次回の指導で活用したいアドバイスを伝えることが大切です。
リフレクションの体制は、メインコーチと1対1でも、指導者全体でもかまいません。当事者がリラックスできる環境で行うことがベストとなります。
指導者は特別でもなく、誰でもなれるもの
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はじめは、わからないことが多いかもしれません。しかし、「なにを」「どうやって」やるかを順序立てて行うことで、少しずつ、子どもたちの笑顔が自分の作る環境によって生まれている楽しさに気がつくことでしょう。
コーチ不足は簡単には解決できることではありませんが、チームとしてできることはまだあるのではないでしょうか。
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