暑い!とにかく夏は暑い!
8月に入ってからの日本列島はヒートアップしっ放し。コロナのせいでマスク着用も多い中、やはり気をつけたいのが熱中症です。
スポーツの現場においては、春シーズンに十分な運動ができなかったため、基礎体力が十分にできていない選手も多いはず。指導者や保護者はいつもの夏以上に選手の体調管理に目を配りたいところです。
気象庁と環境省は共同で最高気温がかなり高くなると予想されるときに発表されていた「高温注意情報」を発展させた「熱中症警戒アラート」を発表しました。
これは単に気温の高さではなく、暑さ指数(WBGT)が33以上になると予想された場合に都県単位で、前日の17時頃か当日の5時頃に「アラート」が発表されます。
熱中症警戒アラートの適応エリア
- 東京
- 茨城
- 栃木
- 群馬
- 埼玉
- 千葉
- 神奈川
- 山梨
- 長野
気温確認だけでは不十分
人体の熱収支に関係する3つの指数を取り入れた暑さ指数を学ぶ
熱中症警戒アラートは1都8県ですが、熱中症になる恐れは全国に渡ります。
熱中症になりやすいかどうかを判断する指標として大切な言葉がWBGT。
WBGTとは湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)の略。熱中症の予防を目的として1954年にアメリカで提案された指標で、単位は気温と同じ摂氏度ですが、その値は気温とは異なります。
WBGTは、人体と外気との熱のやりとりである熱収支に着目した指標で以下の3つの指数を取り入れています。
- 湿度
- 周辺の熱環境(日射・輻射など)
- 気温
湿球温度計、乾球温度計、黒球温度計を使って計ったWBGTは、この3つの指数「湿度:周辺の熱環境:気温」を「7:2:1」の割合から計算されます。
湿度の割合が大きいのは、身体から空気へ熱を放出する際、湿度が高いと汗の蒸発がしにくくなり熱中症のリスクが高まるので、中でも重要な指数となっているからです。
そのため、気温が同じでもWBGTでは異なる場合あるので、「今日は気温が◯◯度だから大丈夫」と、気温だけで状況を判断してはいけません。
以下に(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より抜粋した、運動に関する指針をあげます。
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たとえば、気温が30度でも、WBGT指数が31度以上の場合、すぐに活動を中止する必要があります。
たとえ室内でも、締め切った体育館などで多数の選手が活動している環境を想像すれば、気温とWBGTにここまでのギャップが生まれる可能性は大いにあります。
指導者は感覚でスポーツ活動を決定せず、WBGTを計れる黒球式熱中症指数計などで客観的な数値をもとに判断しましょう。
また、午前から午後にかけて活動する場合は、気温などの数値が変化しやすいので、活動中に再度計測することも大切です。

さらに、スポーツ活動中、選手が体調不良を起こした場合は、医師や保護者に経緯を説明することになります。そこでは、どのような環境で何をしていたかが重要ですが、その環境を表すひとつの数値としてWBGTが役に立ちます。
昨今では、選手に大事があったときに、訴訟問題が起こる可能性もあります。そんなとき、「私が(主観的に)できる環境だと思ったのでやらせました」では、誰からも信用されません。WBGTでエビデンスを取ることは選手だけでなく、指導者を守るためでもあります。
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