今の指導、そのままでいい?
自分の息子がサッカークラブに入っていて、その流れでコーチデビューしたパパコーチやママコーチ。子ども達と楽しくサッカーをする中で「もう少し上手く教えたいな」「今のままでいいのかしら?」なんて考えている人も多いはずです。
「普段は仕事や家事でなかなかコーチングの勉強をする時間がないし、そもそもライセンスをとるほど本格的にやるつもりもない」。それでも今より少しだけレベルアップしたいというピンポイントな悩みを、この記事では3つのポイントにまとめました。
もちろんパパママコーチ以外の人も一度読んでみて「あっ、こんな指導やってた……」と振り返りの材料にしてください。
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見直すべきこと1 子ども達がたくさんプレーできるオーガナイズか?

トレーニングでは子ども達にできるだけ多くプレーさせる時間(アクティブタイム)を作ることが大切です。そのためにはトレーニングセッションやルールといったオーガナイズを見直してみましょう。
上の図の見てください。どちらのオーガナイズもシュートを目的としています。プレーしている人数は左右同じです。違うところは、ゴールの数とボールです。さて、どちらの方がひとりの選手が同じ時間内でシュートする回数が多いでしょうか? その答えは一目瞭然です。当然、2つのゴールがあるオーガナイズの方が、単純に2倍多くシュートすることができます。
当たり前すぎますか? しかし、チームによっては左のオーガナイズでトレーニングしています。これでは選手達の待ち時間が多くなり集中が切れてしまいます。もしも、グラウンド事情でゴールが2つ用意できなければ、片方をコーンで代用すればいいだけです。さらに人数が増える場合はゴールを3つにしても何の問題もありません。
特別強度の高いトレーニングをしない限り、トレーニング中のアクティブタイムを最大限活用できるオーガナイズにしてみましょう。
見直すべきこと2 サッカーで起こる状況に近いオーガナイズになっているか?

サッカーが上手くなるためには、実戦のプレーを切り取ったオーガナイズにする必要があります。しかしそれは難しいことではありません。
上の図の左のように、対面になって行うパストレーニングがあります。ではこのトレーニングをより実践的にするにはどうしたら良いかというと、マーカーを一枚置いて三角パスにするだけで実際のサッカーで生きたプレーができるようになります。なぜかというと三角パスには「体の向き」や「方向をつけたコントロール」といったボールを保持するために必要なキーファクター(大切な要素)が含まれているからです。また、ボールを足元に止める技術は、GKやCBに使うシチュエーションが多いですが、その他のポジションではほとんどは体の向きを意識しながら、方向をつけたコントロールを使っています。
「じゃあ対人パスは意味がないの?」と思ってしまう人がいると思いますが、そうではありません。対人パスはボールフィーリングに集中できる特徴を持っていますし、試合前のスペースがないところでウォーミングアップしなければならない時に有効です。ですので、「対人パスはダメ!」ということではありません。
見直すべきこと3 選手がプレー以外のことで時間を取られていないか?

ボールポゼッションのトレーニングなどで、ボールアウトした際に選手がそのままボールを取りに追いかけていくシーンがあります。その選手が戻ってくるまでトレーニングは中断してしまいます。「見直すべきこと」の「1」「2」に共通することですが、ボールを取りに行く時間ができてしまうとその分プレーする時間がなくなり、選手達のアクティブタイムが奪われてしまいます。実際の試合でも(本来なら)、ボールアウトしてもすぐに代わりのボールが渡され試合が再開されます。
そのため、この場合はコーチから素早く配球するようにしましょう。そして選手達にもトレーニングでも試合と同じくすぐにリスタートする習慣をつけさせることが大切です。
「ボールを取りに行っている時間をアクティブタイムとしてプラスすればいい」と思った人もいるでしょう。アディショナルタイムの概念です。しかし、アディショナルとしては実際の試合以上に冗長なものとなってしまいます。その間に選手の心拍数と集中力が落ちてしまい、例え想定していたアクティブタイムをこなしたとしても、トレーニングの効果は思うように現れません。
決められた全体のトレーニング時間のなかで、いかに無駄を省いてアクティブタイムを確保できるか、コーチは工夫する必要があります。
質の良い睡眠で体をしっかり休めよう↓
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